樹脂、苔の香り

樹脂とは、植物の樹液が揮発し個体となったもの。植物が害虫や病気などから自分自身を守るバリア機能です。古代ではミイラ作りに防腐剤として使用されてきました。また煙で燻し薫香として宗教儀式で使われてきた歴史もあります。

*注意事項の欄に特になしとあっても、これはトリートメントとしてではなくアロマミストとしてお使いになる場合の記述です。精油をご購入の際には自己責任でお願いいたします。

▪️フランキンセンス 

学名/ Boswellia carterii  科名/ カンラン科

採出部位、方法/ 樹脂、水蒸気蒸留法

主な成分/【モノテルペン炭化水素類】α-ピネン、α-ツエン、p-サイメン、リモネン、サビネンなど

香り/ ウッディーでスパイシー

ノート/ ベースノート

こころ、からだ / 呼吸を深め、胸部の緊張を緩める

注意事項/ 妊娠初期は避ける

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樹脂系の香りは、少し石油などの鉱物系のものを感じます。これをスパイシーと形容するのが正しいのか少し迷うところですが、この香りを嗅ぐとどこまでも深い深い呼吸になって、自分の呼吸が浅かったことに気付かされる、そんな香りです。オレンジのような温かな香りと組み合わせるとスパイシーな香りが和らぎます。


▪️ベンゾイン 

学名/ Styrax benzoin  科名/ エゴノキ科

採出部位、方法/ 樹脂、溶剤抽出法

主な成分/ 【芳香族カルボン酸類】安息香酸(80%)、コンフィルエーテル、桂皮酸ベンジル、安息香酸ベンジル、バニリンなど

香り/ 甘くバニラのような香り

ノート/ ベースノート

こころ、からだ / リラックス

注意事項/ 特になし

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甘い香りに仕上げたいな、と思うときに使う香り。渋めの香りでなく、若い方向きとかに使ったりしています。緊張感を緩める優しい香りでもあリます。香りを長持ちさせる香りでもあるので、香水やコロンの保留剤としても使っています。


▪️ミルラ 

学名/ Abies balsamea 科名/ マツ科

採出部位、方法/ 葉、水蒸気蒸留法

主な成分/ 【モノテルペン炭化水素類】β-ピネン、α-ピネン、フェランドレン、リモネン、シトロネロール、δ-3-カレン、リナロールなど

香り/ すっきりとしたウッディー調

ノート/ ミドルノート

こころ、からだ / 不安を和らげる、精神的な強さ。強力な抗感染作用

注意事項/ 特になし

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ミイラの語源となった香り、と説明にはあります。昔から宗教儀式に使われてきた香りは一様に、どこか神秘的で瞑想などの現実的でないどこか深い領域に繋がるような気がします。沈黙の香り、ミルラを加えることで香りの余分な主張しすぎるところが抑えられる感じ。どの精油とも相性が良いというわけではありませんが、意外にもオレンジ、ペパーミントなどポピュラーでちょっと元気なイメージの香り一滴加えるとドライでスモーキーな感じが加わって香りの印象が変わります。


▪️オークモス 

学名/ Santalum album  科名/ ビャクダン科

採出部位、方法/ 木部、水蒸気蒸留法

主な成分/【セスキテルペンアルコール類】α-サンタロール(46%)、β-サンタロール、α-ベルガモトール、epi-β-サンタロールなど

香り/ スモーキーでウッディー

ノート/ ベースノート

こころ、からだ / 鎮静と調和

注意事項/ 妊娠初期は避ける

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「苔の香りです」というと皆さん一様に驚かれます。そうですよね。苔ってあまり匂おうと思わない(わたしもです)オークモスの香りは文字通りオークの木に自生する苔ですから、近くにある湿った苔とはちょっと違います。昔から香水の定着剤として良く使われる香料です。スモーキーで重厚な香り。わたしは昔から好きで、割とどの香りにも入れてみようと気軽にチャレンジしますが、アロマミストなどの軽い感じには合いません。空間には重すぎる。やはりちょっと大人のフレグランスとして高貴な香りにしっくりときます。